エジンバラ大学ではどこの寮に住むべき?

藤井 信充

北海道大学文学部西洋史学講座4年
2018年9月~12月までイギリス・エジンバラ大学に交換留学
イギリス・スコットランドの土地所有制度や労働形態を研究

留学生活においてどの寮に住むかで頭を悩ませている人は多いと思います。

とはいえ、エジンバラ大学の寮は選択肢が多すぎてどう選べば良い変わらないと感じてる人もいると思います。

今回は経験者の意見を元に、どの寮が良いのか、どんな基準で選ぶべきかについて解説します。

※選択肢としてはホームステイや自分で部屋を探す方法もありますが、コスパや労力の点からこの記事では扱わない事にします。



食事付きか自炊か

めちゃめちゃ大事ですこれ。食はQOLにダイレクトに響きます。


-食事付き=Pollock Halls

食事付き(catered)の寮は全てこのPollock Hallsに集まっており、他にも売店などがあるためここに住めば割と生活が完結できてしまうのがこのPollock Hallsです。

その反面、キャンパスや街の中心部までは少し距離がある(徒歩15分程度)ので、利便性に少し欠けるかも知れません。

ちなみに、Pollock Hallsとは特定の寮の名前ではなく、いくつかの寮と食堂、売店などが一箇所に集まった敷地全体の名称です。

自炊(self-catered)の寮に比べると食費込みなので費用は高めですが、一回分の食費は自炊の人のそれとさほど変わらないので意外とコスパは良いのかなと。


別の記事でエジンバラ大学寮の食堂のメニューについて詳しく書かれているので、以下参照です。


-自炊

数としては食事付きの寮より自炊の寮の方が間違いなく多いです。

自炊の寮ではそれぞれに個室のベッドルームがあり、キッチン・トイレ・シャワーは共有というケースが一般的です。


メリット:自分の好きなものを食べられる。時間の制約がない。フラットに人を呼んでパーティが出来る。キッチンでフラットメイトと顔をあわせる機会が多く仲良くなれる。

デメリット:面倒。食器類の費用がかかる。キッチンや冷蔵庫の利用で揉める可能性がある(があまり聞いた事はない)


自分のタイミングで好きなものを調理する事ができるため、自由度の高い生活を求める人には自炊が適していると思います。

また、フラットメイトとキッチンを共有するので仲良くなりやすく、授業以外での友達ができるのは非常に大きなメリットです。これは私の場合ですが、留学生活で最も仲良くなったのはこのフラットメイトでした。ちなみにイギリスではこのように共同生活する部屋をフラットと言い、そこで共に住むメンバーをフラットメイトと呼ぶのが一般的です。


おすすめの学生寮は?

さていよいよ本題です。結局どこの寮がおすすめなのか。ここが気になりますよね。

全てを網羅した上でおすすめできるのが一番良いのですが、現実的に難しい為ここではHUSTISのメンバーが住んだ経験のある寮、及び住んだ友人から話を聞いた寮の中から紹介しようと思います。


Robertson's Close

私が住んでいたのがこのRobertson's Closeです。エディンバラの中心部にあり、大学まで徒歩10分以内、Royal Mileまで徒歩2分、駅にも近くスーパーマーケットであるTescoとSainsberyが共に徒歩3分以内で行けるという好立地にある学生寮です。パブやナイトクラブの密集しているCowgateという通りに面している為、学業とプライベートのバランスを取りながら楽しんでいる学生が多い印象でした。

基本的に各々に個室(6畳ほど)が割り当てられており、キッチンとシャワー・トイレをフラットメイトと共有する仕組みになっています。

(私が住んでいたフラットのキッチン)


(仲の良いフラットメイトとキッチンで勉強する様子)


家賃は丸4ヶ月で合計2000ポンドほど、当時のレートは1ポンド約145円ちょいぐらいだったので日本円に直すと30万円程度でした。月でいうと約75,000円。エジンバラ大学の寮の中だとこれでも結構安い方でした。奨学金に一番感謝した瞬間だったと記憶しています。


Lee House

Lee HouseはPollock Hallsに位置し、家賃は一学期(=4ヶ月)で約3000ポンド。日本円で約40万円ほどです。Flatを借りるよりも高めではあります。ただ、Pollockではご飯が朝と夜に、食べ放題のバイキング形式で出ますので、それを込みに考えればお得なのかなとは思います。また、Pollockには図書館や集団勉強スペース、自習用のスペースが集まったLabと呼ばれる施設があり、エジンバラ大学の学生証があればだれでも利用可能になっています。そういったことも踏まえると、値段に見合ったサービスが受けられます。ちなみにPollockにはLee Houseと同じ造り(見た目も部屋の感じも全く同じ)で家賃もほぼ同じ寮が5つあります。お部屋は一人部屋で、だいたい10畳ほどのスペースが確保されています。設備として暖房、クローゼット、鏡付き洗面台に、姿見が一つ、そして付属の家具としては棚付き机とベッド(シーツ、枕付き)、小さなキャビネットがありました。シャワーとトイレは共用でした。Wifiも安定しており(少なくとも1階は)、部屋の掃除も清掃員の方が週1で入ってくれるので、やらなくてはいけないのは洗濯だけでした。洗濯はコースにもよりますが、洗いが2ポンド、乾燥に1ポンドでした。(ちなみに洗濯代を浮かせたければ、自分の部屋で洗うこともできますが、授業が忙しくてそれどころではなくなるので、あまりお勧めはできません。)
Lee Houseはバスルームが共用でした。1つのフロアには15人ほどの学生が住んでおり、3つのシャワー・トイレを共用していました。トイレも毎日掃除が入るので特に不快な思いは感じませんでした。いくつか事件があったとすれば、入居後わずか1週間で、シャワー2つで、温かいお湯が出なくなったことくらいです。札幌よりも寒い場所で冷たいシャワーを浴びるなど、あと4か月耐えられるはずもないと観念した僕は、「Chancellor Court」の住人達に頼み込んで、シャワーを提供してもらっていました。(2つがおじゃんになったことで諦めていたのですが、残りの1つは安定してお湯が出ることに気付いたので、実際に借りていたのは1か月ほどでしたが。)また、部屋の壁が若干薄いらしいらしく、隣人が風邪をひいていると絶え間ない咳や鼻をかむ音が聞こえたり、トイレで用を足す音が聞こえたり、夜中にオンラインゲームに興じる隣人の突然の奇声が響くことはありました。今となってはそういうハプニングがあって、毎日が刺激的でした。同じPollockでLee HouseとChancellor Courtとの違いは、自室のバスルームの有無と壁の厚さくらいです。

唯一残念であったのは、Flat Matesがいないこと。これはPollock全般に言えますが、プライバシーが保障されている代わりに、Flat Matesがいないために、Flatに住んでいる学生と比べると、深い交友関係を持ちにくい印象を受け、Flatにしておけばよかったかな、と思ったこともあります。ただ、Pollockに住む学生はみな1つのレストランで食事をするので、違う寮に住んでいる学生とも友達になることができ、交友関係は広くなります。特に新学期はみんな期待と不安でいっぱいで、新しい友達が欲しくてうずうずしているので、声をかければすぐに友達になれます。


終わりに

いかがだったでしょうか。ざっくりとした紹介でしたので、まだまだ伝えたいディープなことはありますが、それは別の機会を設けようと思います。当然ですが住む場所というのは、留学生活の中で非常に大切です。地図とにらめっこし、値段とにらめっこし、じっくりと考えるのがよいです。ただ、留学という経験の中ではおそらくは、どんな場所を選んでも、素敵な出会いや経験につながると思います。直感で決めてみるのも悪くはないのかな、とも思います。僕の拙い紹介文が、少しでも寮選びのヒントになれば幸いです。

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