フランス留学のための事前準備と手続き(Campus France及びVisa)について

藤井 信充

北海道大学文学部西洋史学講座4年
2018年9月~12月までイギリス・エジンバラ大学に交換留学
イギリス・スコットランドの土地所有制度や労働形態を研究

氏名:田中秀樹
所属:北海道大学文学研究科西洋史学講座修士課程2年
留学歴:2015年2月~3月 語学研修(フランス、トゥール、トゥーレーヌ学院)
2017年8月~2018年7月 交換留学(フランス、パリ第七大学)


  こんにちは。私は文学研究科所属修士課程2年の田中秀樹です。私は修士1年次にパリ第七大学へ約1年間交換留学をしました。フランス、特にパリは昨今テロやデモを中心として頻繁にメディアに取り上げられており、危険というイメージを持たれている人も多いかと思います。そうした背景がある中で、これからフランス留学を考えている方々に少しでも実体験に基づいた生の情報をお届けできれば幸いです。また、修士課程で留学することに関しても後々私見を述べさせていただきたいと思っています。フランス留学に関する情報の中で、今回はその入り口として留学の前段階であるCampus Franceへの登録やVisa取得等の諸手続きについて説明したいと思います。

(ヴェルサイユ宮殿)


1. 語学要件

 まず前提として、フランスへ交換留学をするためには留学先の大学が定める語学要件を留学前年の10月までに満たすことが必要になります。日本の法人が行っている試験としては実用フランス語技能検定試験(以下、仏検)が存在しますが、仏検は基本的に留学用の語学証明として用いることはできません。そこで以下の2つのフランス政府公認試験が語学証明として利用可能です。

① DELF/DALF (Diplôme d’Etudes/Approfondi en Langue Française)

※レベルB2以下がDELF、C1以上がDALFという呼称。

② TCF (Test de Connaissance du Français)

 ①はレベルごとにテストが存在し結果に応じて合否が決まり、②はTOEICのように獲得点数に応じレベルが判定されます。②は読解と聴解のみのテストで、①より対策しやすく比較的点数がとりやすい傾向にある為私個人としては②をお勧めします。ヨーロッパ言語参照枠としてレベルが下からA1からC2まで存在し、基本的にDELFではB1、TCFではB1~B2が必要になることが大半です。それでも必要要件は留学先の大学によって異なるので、所属大学の国際交流課に赴き調べることが重要です。


2. 事前手続き(Campus Franceへの登録、Visa取得)

 語学要件を満たし所属大学内で留学候補者として認定されれば、留学先大学のホームページ経由で必要書類を提出する段階へ移行します。それが終わり留学先大学から入学許可証(Confirmation d'acceptation)を受け取れば遂にVisaの取得に進むことになります。取得予定ビザは学生ビザの中でも「学生ビザ(3か月以上)」という種類のもの。Visa取得に必要なプロセスは以下の通りです。


①Campus Franceへの登録(必須)

②必要書類の準備 

I) ビザ申請書(Campus Franceのアカウント番号の記入が必要) II) 入学許可証 III) 証明写真 IV) パスポート V) 経済証明(口座証明や奨学金証明書)※1 カ月あたり最低 615 ユーロ VI) 申請料金50ユーロ相当の日本円 VII) レターパック510(赤) ※郵送受け取り希望の人のみ

③ビザ申請予約

④在日フランス大使館において申請手続き

⑤1~2週間ほどで受け取り(本文作成者は郵送での受け取りを希望した)


 Campus France(フランス政府留学局)とは、海外でフランスへの高等教育機関への留学者の受け入れを管理・支援している公的機関です。まずはインターネット上で必要事項を入力しそこへの登録を済ませます(現在ではEtudes en Franceという別名称が存在)。この登録は有料。また、必要情報を入力し登録したあと登録証明書が発行されるのでダウンロードすることを忘れずに。

 Campus Franceへの登録後、Visa取得の必要書類の準備とビザ申請予約(段階②及び③)を同時並行で進めることになります。②に関して言えば、最も複雑なものは経済証明でしょう。フランスでは本来就業目的の者が学生ビザで入り不法に滞在するというケースが珍しくないためこのような措置を取っていると思われます。奨学金をもらえる予定の人は、たとえ仮でも証明書を発行してもらうことをお勧めします(支給額が上記の条件に足りなければ口座証明も行うこと)。そうでない場合は1つの口座に上記条件を満たす金額を入れ、銀行窓口に行き英語で口座証明を発行してもらう必要があります。

 ビザ申請予約は在日フランス大使館のホームページから可能です。手続き自体は複雑ではありませんが、予約完了時に参照番号が表示されるのでその番号は必ず控えを取っておいてください。詳細は在日フランス大使館のホームページに載っています。

 ビザ申請予約まで終われば、あとは実際に大使館へ行くだけで手続きはすべて終了です。私はビザの手続きよりその前段階の留学先大学から入学許可証をもらうまでに苦労しました。所属大学の窓口の不手際や留学先大学からの返信の無さなどがその原因でしたが、最も重要なことは自ら行動し主張することです。留学を希望される方々は是非粘り強く事に当たってください。


(セーヌ河畔の眺め)

 以上がフランス留学のための事前準備と手続きの詳細になります。フランスと日本の間の留学手続きは、両国関係の親密さに比例し簡略化の一途を辿っています。私の留学時に必要であったフランス移民局 (OFII)への提出書類も2019年から不必要になり、フランス入国後にネット上で手続きをするだけに変わりました。留学を考えている方々にとってフランスはこれからさらに簡単で魅力的な選択肢になることでしょう。


参考URL

Campus France:https://www.japon.campusfrance.org/ja


在日フランス大使館 学生ビザ(3ヶ月以上) 申請方法:

https://jp.ambafrance.org/article3731

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