前回に引き続き、パリについての情報発信を行っていこうと思います。前回がシャルルドゴール空港からパリ市内への交通事情についてであったため、今回はパリ市内の交通事情について書いていこうと思います。
パリ市のRATP、またエリアゾーンについて
パリ交通公団(Régie Autonome des Transports Parisiens, 略称RATP)とは、パリ市とその周辺の交通機関を運営している事業者で、日本で言えば東京メトロのような会社で、長距離鉄道を運営するフランス国鉄(SNCF)とは別である。
パリ市内の殆どの公共交通を運営しているのはRATP社であり、パリを訪れる方は必ずといってもいいほどRATPの交通機関を利用することになる。(一部SNCF運営あり)
RATPでは、パリ周辺エリアにゾーン分けがされており、パリ20区内をゾーン1とし、それから郊外になるにつれてゾーン5までに区分けされております。
(Paris Visite travel pass, RATP, https://www.ratp.fr/en/titres-et-tarifs/paris-visite-travel-passより)
これを見ると、主要観光地はパリ20区内ゾーン1圏内ですが、シャルルドゴール空港(CDG Airport)、ヴェルサイユ宮殿(Château de Versailles)、パリディズニーランドなどはゾーン5にあたります。メトロ、バス、RER(地域急行鉄道)の利用料金はこのゾーンによって変わります。
交通チケットの種類
RATP, SNCF運営のパリ周辺交通を利用するには、各種チケットの購入が必要になります。以下はよく使うものを紹介。
・T+ Tickets: パリのゾーン1圏内のメトロ、トラム、バス等の移動に使えるチケット。1.9€から販売。10枚パックの「Carnet de 10」は14.90€と一枚ずつ買うよりお得。各メトロ駅内の自販機で購入可能
・ Île-de-France (IDF) point-to-point tickets: イル=ド=フランス県の中で使える切符。乗車駅と降車駅を指定する切符で、日本のJR切符と同じ。メトロ自販機で買える。
・ Navigo: 私が留学中ずっとお世話になった交通ICカード。
(https://www.ratp.fr/en/titres-et-tarifs/navigo-monthly-and-weekly-travel-passes, Navigo monthly and weekly travel passesより)
表の一番上のToutes zonesは全てのゾーンという意味で、ゾーン1~5まで移動自由の場合は週22,80€より利用可能です。日本のSuicaのように改札にタッチすると改札を抜けられる。
購入は、シャルルドゴール空港のSNCFの窓口や、各メトロ駅などで購入可能ですが、空港ならまだしも、各メトロ駅の駅員に英語はほとんど通じません、、、Navigo購入希望の人は片言でもよいのでフランス語でチャレンジしましょう。なお、僕の場合はとても不機嫌そうな顔をされてカード購入料金5€と共にカードを渡してくれました。なお、私の留学時カードには2.5×3.0cmの顔写真を張る必要がありました。あらかじめ写真を用意しておくと幸いでしょう。
このNavigoカードですが、メトロ駅の自販機でチャージができますが、weekly passを購入する際に注意点がありまして、実は一週間の計算が月曜日から日曜日で1セットとなっており、月曜日に購入すれば日曜日までフルに使えますが、水曜日などに購入した場合は、その週の日曜日までのみ使用できる計算となってしまい、損してしまいます(謎システム)。また、その週の金曜日以降は、次の月曜日までNavigoをweeklyでチャージすることはできません。したがって、金曜日にパリ入りしてしまった場合は、月曜日までNavigoを利用することができません。これはMonthlyで購入した時も同じで、月初から月末が一区切りで決められており、月初にNavigoをチャージしないと、当月使える日数が減っていきどんどん損をしてします。日本の便利な定期券とは違うのです、、、
・ Imagine R student travel pass: 26歳以下の学生限定の割引Navigoです。ゾーン1~5まで自由に利用でき、一年分(12ヵ月)342€で購入できます。学生ビザを持っている人で、大学等に通っている人なら申請可能で、実際に持っている人は数多かったのですが、申請は郵送、また実際に届くまで一か月は優にかかってしまうそうで、実にフランスらしいカードでございます。滞在が年以上にまたぐ場合は、交通費が通常Navigoの半額になるので、購入する価値があるでしょう。
パリの交通機関
メトロ
(Point me, How Difficult is the Paris Metro System for English Speakers? – Ask Anything. https://pointmetotheplane.boardingarea.com/paris-metro-system-ask-anything/より)
パリの交通機関といえば、まずメトロが名に挙がるでしょう。基本的にはパリ20区内ゾーン1圏内で運転しています。その全14線の乗り換えは、日本の鉄道より単純ですぐに覚えられます。観光でよく使うメトロ一番線は自動運転化がされており、祭日などになると、まさかの24時間営業運転が行われたりします。終電も平日は12時、週末は1時近くまであるので、パリのナイトライフの友になることは間違いなしです。週末には、車内で豪快にワインを一本ずつラッパ飲みするパリジェンヌに出会えます。
一方で、治安は良いとは言えません。スリが一番多発しているのはメトロでしょう。友人が携帯をすられた話をよく聞きました。お金、携帯などはセーフティーポーチなどに入れるなどして、万全の対策をして利用してほしいです!私は幸いにも留学期間中スリに遭うことはありませんでした。
観光としては、メトロ入り口のデザイン、また駅構内のデザインは各駅によって全く異なるので、周る価値があります。Louvre-Rivoli駅やTuileries駅は必見。
バス
パリには沢山の路線バスが走っており、メトロ各駅等を結んでおります。バスもNavigoやT+チケットで利用可能で、乗車時に改札にタッチするなり、チケットを”Validate”と書かれた機械に通すのみで乗車できます。パリのバスの強みは、なんといっても“ナイトバス”があることです!実は、メトロの営業終了後も、バスは24時間運航しており、パリ市内であれば深夜にバスを乗り継いで帰宅することが可能です。しかし、治安はかなりよろしくない雰囲気が漂っているので、一人では避け、万全の注意を払って利用しましょう。
トラム
トラムは、パリの旧城壁跡を囲むように作られており、中心の観光ではお世話になることはないかもしれません。他と同様、T+、Navigoで利用可能です。なお、パリの駅名、地名で”Porte”とつく場所はパリの旧城門があった場所であり、トラムに乗るとその場所を回ることができます。
まとめ
パリの交通機関について、今回も簡単にまとめてみました。紹介したのは公共交通だけでしたが、もちろんUber等ライドシェアサービスも利用できるので、夜道はできればそっちを利用するのが賢明です。一方で、パリは公共交通が非常に整った都市であり、公共交通のみでも基本的に不自由を感じることはないでしょう。したがって、状況に応じて安全に利用してください!以上!
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